富士山観光の拠点として人気を集める「河口湖」と「山中湖」。どちらも富士五湖を代表する観光地ですが、実際に訪れてみると雰囲気も楽しみ方も大きく異なります。
「富士山がきれいに見えるのは、どっち?」
「初めて行くなら、どちらに泊まるべき?」
「東京からのアクセスが良いのは?」
そんな疑問を持つ方も多いはず。
先に結論をお伝えすると、富士山の迫力と静かな自然を味わうなら山中湖、観光施設の多さと交通の便を重視するなら河口湖がおすすめです。
この記事では、富士山の見え方・アクセス・観光施設・宿泊まで、2つの湖を項目ごとに比較します。記事の最後には、両方を1泊2日で巡るモデルコースも紹介していますよ!
【早わかり】河口湖と山中湖の違い比較表
| 河口湖 | 山中湖 | |
|---|---|---|
| 標高 | 約831m | 約981m(富士五湖で最も高い) |
| 湖の広さ | 富士五湖で2番目 | 富士五湖で最大 |
| 富士山の見え方 | 湖+花+富士山の「絵になる」構図 | 見上げるような迫力。距離が最も近い |
| 最寄り駅 | 河口湖駅(富士急行線の終点) | 鉄道駅なし(バスかクルマ) |
| クルマなしで観光 | ◎ 周遊バスで完結する | △ レンタカー・レンタルバイク推奨 |
| 観光施設 | 美術館・ロープウェイなど多彩 | 花畑・水陸両用バスなど自然系 |
| 飲食店の数 | 多い(迷うことがない) | 少なめ(目的地になる名店が点在) |
| 宿泊施設 | ホテル・温泉旅館が豊富 | ヴィラ・グランピング・一棟貸しが中心 |
| 雰囲気 | 観光地らしい賑わい | 静かな高原リゾート |
| こんな人に | 初めての富士五湖・子連れ・電車旅 | 写真好き・アウトドア派・静けさ重視 |
【基本情報】2つの湖の位置関係
富士五湖とは、富士山の北麓に広がる「本栖湖・精進湖・西湖・河口湖・山中湖」の5つの湖のこと。そのうち観光の中心となっているのが、河口湖と山中湖です。
山中湖は富士五湖の中で最も面積が大きく、標高は約981m。河口湖(約831m)より150mほど高い場所にあります。この標高差によって夏でも涼しく、条件によっては河口湖より4〜5℃ほど気温が低くなる日もあるほど。周辺には白樺林や広い草原が広がり、高原リゾートらしい景観が魅力です。
一方の河口湖は、富士五湖観光の中心地として発展してきたエリア。湖畔にはホテルや旅館、飲食店、お土産店、美術館などが集まり、初めて富士五湖を訪れる方でも観光しやすい環境が整っています。
2つの湖はクルマで約30分。1回の旅行で両方を巡ることも十分に可能です。

【富士山の見え方】どっちがきれいに見える?
富士山の見え方には、それぞれ大きな違いがあります。
山中湖|「近さ」で選ぶなら




山中湖は、富士五湖の中でも富士山に最も近い湖として知られています。そのため、富士山を見上げるような迫力ある景観を楽しめるのが最大の魅力です。
代表的な絶景スポットは、次の3つ。
- 長池親水公園…山中湖越しに富士山を望む、山中湖を代表する撮影スポット
- 山中湖パノラマ台…湖と富士山を高台から一望。冬の夕暮れには富士山が赤く染まります
- 旭日丘周辺…湖畔の遊歩道から、季節ごとに表情を変える富士山を眺められます
天候が良ければ湖面に映る「逆さ富士」が見られ、冬には雪化粧した富士山が朝日に照らされて赤く染まる「紅富士(べにふじ)」が現れることも。
さらに山中湖は、太陽が富士山頂に重なる「ダイヤモンド富士」の名所として全国的に有名です。毎年多くの写真愛好家が撮影に訪れます。

河口湖|「構図」で選ぶなら

河口湖の魅力は、湖・富士山・四季の花々を一枚の写真に収められることです。
- 大石公園…春はチューリップ、初夏はラベンダー、秋はコキアと、季節の花と富士山を同時に撮れる定番スポット
- 河口湖北岸…湖面に映る逆さ富士を狙える静かなエリア
- 産屋ヶ崎(うぶやがさき)…湖に突き出した岬から、河口湖大橋と富士山を望みます
河口湖でも逆さ富士は撮影できますが、ダイヤモンド富士の知名度や撮影スポットの豊富さでは山中湖に軍配が上がります。
つまり、富士山そのものの迫力なら山中湖、景色全体の美しさなら河口湖という違いがあります。
実は、富士山は「行けば必ず見える」わけではありません。年間を通して、山頂までくっきり見える日は限られています。せっかくの旅行で後悔しないために、次の3つを覚えておいてください。
- ① 朝いちばんを狙う…日の出から午前9時頃までが、最も雲がかかりにくい時間帯です。午後は雲が湧きやすくなります
- ② 冬(11〜2月)が有利…空気が澄み、雪をかぶった富士山が見える日が多くなります。逆に夏は霞や雲で見えない日も少なくありません
- ③ 出発前にライブカメラで確認…現地のライブカメラで、当日の空模様と富士山の状態をチェックしてから動くのが確実です

【アクセス】東京・成田空港から行きやすいのはどっち?
交通アクセスを比較すると、河口湖の利便性が圧倒的に高いという結果になります。
河口湖へのアクセス

河口湖駅は富士急行線の終点で、東京方面からの直通アクセスが充実しています。
- 特急「富士回遊」…新宿駅から乗り換えなしで河口湖駅へ。所要約2時間
- 高速バス…バスタ新宿から河口湖駅まで約1時間45分。本数が多く、価格も手頃です
- 空港からの直行バス…成田空港・羽田空港から河口湖への高速バスがあります。飛行機で首都圏に入る場合も、都心を経由せず直接向かえます
- 河口湖周遊バス(レトロバス)…主要な観光スポットを結ぶ循環バス。フリーパスを使えば、クルマがなくても1日でしっかり観光できます

山中湖へのアクセス
一方、山中湖には鉄道駅がありません。一般的には、富士山駅または御殿場駅から路線バスを利用して向かいます。バスタ新宿からの高速バス直行便もあり、こちらは約2時間20分です。
ただし、山中湖の観光スポットは湖畔の広い範囲に点在しているため、レンタカーやレンタルバイクがあると移動が一気に楽になります。そのため、山中湖はドライブやツーリングの目的地としても高い人気があります。
河口湖と山中湖の間の移動
2つの湖の間は、路線バスで約50分、クルマなら約30分。日帰りで両方を訪れることもできますが、それぞれの良さをゆっくり味わうなら1泊するのがおすすめです。
河口湖駅の周辺にはレンタカー各社の営業所が集まっているので、電車で来て現地でクルマを借りるのが効率的です。山中湖側は営業所が少ないため、借りるなら河口湖駅前が基本になります。
注意したいのが冬季です。12〜3月は路面が凍結することがあり、標高の高い山中湖側や、早朝・日陰の路面はとくに滑りやすくなります。この時期に借りるなら、スタッドレスタイヤの装着を必ず確認してください。
レンタルバイクやレンタサイクルも河口湖駅周辺で借りられます。湖畔をのんびり巡るなら小回りが利いて快適ですが、標高が高いぶん日が落ちると一気に冷え込むので、防寒対策はしっかりと。
【観光施設】巡って楽しいのは河口湖
観光施設の充実度では、河口湖が一歩リードしています。
河口湖|1日では回りきれない




- 富士山パノラマロープウェイ(天上山公園)…湖畔から約3分で標高1,075mの展望台へ。河口湖と富士山を同時に見下ろせる、河口湖観光のハイライトです。日本の昔話「かちかち山」の舞台としても知られています
- 河口湖 音楽と森の美術館…ヨーロッパの街並みを再現した庭園と、自動演奏楽器のコレクションが人気。ローズガーデンの美しさでも知られています
- 河口湖美術館…富士山をテーマにした絵画や写真を中心に展示。ミュージアムショップだけの利用も可能です
- 久保田一竹美術館…染色家・久保田一竹の「一竹辻が花」を展示。建物と庭園そのものが作品のような空間です
- 河口湖クラフトパーク…サンドブラストやジェルキャンドルなど、多彩な手づくり体験ができます
- 大石公園・河口湖自然生活館…花畑の絶景スポット。ブルーベリー狩りやジャム作り体験も楽しめます
山中湖|自然を生かした施設が中心



- 山中湖 花の都公園…春のチューリップやネモフィラ、夏のひまわり、秋のコスモスなど、一年を通して花畑と富士山の共演を楽しめます
- KABA(水陸両用バス)…道路を走ったまま、そのまま湖へ飛び込む迫力満点のアトラクション。子どもから大人まで楽しめる山中湖の名物です
- 山中湖交流プラザ きらら…広大な天然芝の広場。イベント会場としても使われ、サイクリングや散策の拠点になります
- 石割の湯…山中湖を代表する日帰り温泉施設
- 文学の森公園・三島由紀夫文学館…森の中を散策しながら、日本文学にふれられる静かな公園です
湖でのアクティビティや、季節ごとのイベント情報は以下の記事にまとめています。旅行の時期選びの参考にしてみてくださいね!

【宿泊】どちらに泊まるのがいい?
宿泊施設にも、エリアごとの個性がはっきり出ています。
河口湖|選択肢の幅がとにかく広い




河口湖は富士五湖観光の中心地だけあって、宿泊施設の数が非常に豊富です。高級旅館、リゾートホテル、温泉旅館、貸別荘、グランピング施設まで幅広く揃い、予算に合わせて選べます。
観光施設との距離が近く、河口湖駅周辺ならクルマがなくても滞在しやすいのが最大の魅力です。
山中湖|静けさとプライベート感


山中湖は、避暑地・別荘地として発展してきた歴史があります。そのため、森林に囲まれたヴィラやコテージ、グランピング施設が数多く点在しています。
近年は富士山を望めるプライベートサウナ付きヴィラや、一棟貸しの宿も増えており、周囲を気にせず静かに過ごしたい方から人気を集めています。
【河口湖のおすすめ宿泊施設】グランピングヴィレッジ富士河口湖

河口湖エリアで泊まるなら、関東最大級の規模を誇るラグジュアリーグランピングリゾート「グランピングヴィレッジ富士河口湖」がおすすめです。
雄大な富士山と河口湖の自然に抱かれながら、手ぶらで贅沢なアウトドア体験を満喫できます。全客室にキッチン・調理器具・食器類が完備されているため、地元のスーパーで買った食材を客室で調理するのも楽しみ方のひとつ。
さらに、宿泊者専用のインクルーシブサービス「Nature Bar」では、山梨県産のワインを中心としたドリンクを無料で楽しめますよ。
| 住所 | 〒401-0320 山梨県南都留郡鳴沢村鳴沢7430 |
|---|---|
| HP | https://www.nature-glamping.com/ |
【山中湖のおすすめ宿泊施設】Private Villa Glamping 富士山中湖

山中湖エリアで人気を集めているのが、全棟に温泉・プライベートプール・ファイヤーピットを備えた「Private Villa Glamping 富士山中湖」です。
全棟が独立型のスイートヴィラ。夏はプールサイドで高原の風を感じ、秋は紅葉に包まれた富士山を眺めながら焚火を囲み、冬は温泉に癒される——山中湖らしい四季の楽しみ方が詰まっています。
山中湖は夜になると驚くほど静かになるエリア。焚火の灯りと満天の星空の下で過ごす時間は、旅のハイライトになるはずです。
| 住所 | 山梨県南都留郡山中湖村山中262-5 |
|---|---|
| HP | https://www.fuji-suitevilla.com/ |
河口湖と山中湖のちょうど中間にあるのが、世界文化遺産の構成資産「忍野八海」で知られる忍野村です。どちらの湖にもクルマで20分前後という立地なので、両方を巡る旅なら忍野に泊まるのが実は一番効率的。富士山の湧水が湧く静かな村で、朝いちばんに人のいない忍野八海を歩けるのは宿泊者だけの特権です。

【温泉・サウナ】湯めぐりなら河口湖、ととのうなら山中湖

温泉施設は河口湖の方が充実しています。富士河口湖温泉郷には日帰り温泉や温泉旅館が多く、観光の途中でも気軽に立ち寄れるのが魅力。富士山を眺めながら入る露天風呂は格別です。
一方、山中湖では「石割の湯」が代表的な日帰り温泉として知られています。
また近年は、サウナを目的に富士五湖を訪れる方も増えています。セルフロウリュを楽しめるバレルサウナや、自然に囲まれた外気浴スペースを備えた施設が、山中湖エリアを中心に増加中。静かな環境でゆっくり過ごしたい方に人気です。

【グルメ】ほうとうもそばも、どちらの湖でも楽しめる

山梨を訪れたら一度は食べておきたいのが、平打ちの太い麺を味噌ベースのスープで煮込んだ郷土料理「ほうとう」。標高が高く冷え込む富士五湖エリアでは、まさにぴったりの一杯です。富士山の湧水で打つ手打ちそばも、このエリアの名物ですよ。
飲食店の数では河口湖が圧倒的ですが、山中湖には「この店を目的に訪れたい」と思えるような個性的な名店が点在しています。それぞれのエリアのおすすめ店は、以下の記事で詳しく紹介しています。



【旅行スタイル別】あなたにおすすめなのはどっち?
ここまでの比較をまとめると、次のようになります。
- 富士山を間近で見たい → 山中湖
- ダイヤモンド富士を撮影したい → 山中湖
- 花と富士山を一緒に撮りたい → 河口湖
- 逆さ富士を狙いたい → どちらもおすすめ
- 美術館めぐりを楽しみたい → 河口湖
- ロープウェイや遊覧船に乗りたい → 河口湖
- 水陸両用バスに乗りたい → 山中湖
- 電車とバスだけで観光したい → 河口湖
- ドライブやツーリングを楽しみたい → 山中湖
- グルメの選択肢を重視したい → 河口湖
- ホテルや温泉旅館に泊まりたい → 河口湖
- ヴィラやグランピングで静かに過ごしたい → 山中湖
- 子連れ旅行・初めての富士五湖 → 河口湖
- 夏に涼しく過ごしたい → 山中湖
河口湖と山中湖は、どちらか一方が優れているというわけではありません。旅のスタイルに合わせて選べば、どちらを選んでも富士山の魅力を存分に味わえますよ。
【1泊2日】河口湖+山中湖を両方楽しむモデルコース
時間に余裕があるなら、両方を巡るのが断然おすすめ。2つの湖はクルマで30分の距離なので、1泊2日でも十分に回れます。
1日目|河口湖で観光とグルメを満喫
| 10:00 | 河口湖駅に到着(新宿から特急「富士回遊」で約2時間) |
|---|---|
| 10:30 | 富士山パノラマロープウェイで天上山公園へ。展望台から河口湖と富士山を一望 |
| 12:00 | 湖畔のほうとう専門店でランチ |
| 13:30 | 大石公園で季節の花と富士山を撮影 |
| 15:00 | 河口湖 音楽と森の美術館でティータイム |
| 17:00 | 宿にチェックイン。グランピングで夕食と焚火を楽しむ |
2日目|山中湖で富士山と高原の自然を
| 07:00 | 早朝の湖畔へ。最も富士山が見えやすい時間帯です |
|---|---|
| 09:30 | クルマで山中湖へ移動(約30分)※忍野八海に立ち寄るなら+1時間 |
| 10:30 | 山中湖 花の都公園で花畑と富士山を満喫 |
| 12:00 | 山中湖の名店でランチ |
| 13:30 | 長池親水公園またはパノラマ台で撮影 |
| 15:00 | 石割の湯でひと休み |
| 16:30 | 高速バスで新宿へ(約2時間20分) |
まとめ
今回は、富士五湖を代表する河口湖と山中湖を比較しました。
観光施設・グルメ・アクセス・宿泊施設の充実度を重視するなら河口湖、富士山の迫力や高原の自然、静かな時間を求めるなら山中湖。どちらを選んでも、富士山の雄大な景色があなたを待っています。
時間が許すなら、ぜひ両方を訪れてみてくださいね!
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