富士山の世界遺産構成資産「忍野八海」|名水と伝説が息づく癒しのパワースポット【特集】

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「富士山−信仰の対象と芸術の源泉」として世界文化遺産に登録されている構成資産のひとつ、山梨県・忍野八海。

この地には、富士山の伏流水が湧き出す8つの湧水池があり、いずれも透明度の高い名水が楽しめるとして、全国から多くの観光客が訪れています。

それぞれの池には古くからの言い伝えが残されており、池をめぐりながら自然と歴史・文化に触れることができます。

特に近年では外国人観光客にも大人気のスポットで、土日や連休には多くの人で賑わいを見せています。

今回は、実際に忍野八海を訪れ、8つの池にまつわる伝説や見どころ、周辺のおすすめ観光情報を詳しくご紹介!

忍野八海の神秘的な水辺を巡る旅へ、ぜひ出かけてみましょう。

目次

忍野八海とは?|富士山の伏流水が生み出した神秘の湧水池

山梨県南都留郡の「忍野村」に位置する忍野八海は、富士山の伏流水が湧き出す8つの湧水池の総称で、国内外から人気を集める観光スポットです。

実はこの地域、約6000年前までは広大な湖(宇津湖)に覆われていたとされています。しかし、富士山の延暦噴火により溶岩が流れ込み、湖は干上がり、現在の地形が形成されました。

その後も富士山の雪解け水が地下の溶岩層を長い時間かけてろ過されることで、極めて透明度の高い水が湧き出す池が誕生。それが現在の忍野八海です。

この清らかな水は、「全国名水百選」にも選ばれており、訪れる人々を魅了し続けています。各池にはそれぞれ伝説や歴史があり、パワースポットとしても人気です。

自然と歴史が織りなす神秘的な名水の里「忍野八海」を、ぜひ現地で体感してみてください。

「池」なのに忍野八「海」と呼ばれているのはなぜ?
実は、理由についてはっきりしたことはわかっていません。
一説には、池でありながら海に匹敵するほどの美しさを持っているため、「海」と呼んだといわれています。
また、忍野八海は、昔から富士山信仰の巡礼地であり、富士山に入る前に身を清める場所でした。
それぞれの池には竜王(龍神様)が棲んでいるといわれ、池と言うにはあまりにも神聖すぎて尊い場所だったため、「八海」の名前が付けられたとも言われています。

忍野八海の8つの池|霊場の番号と場所、伝わるご利益

8つの池を整理したMAP

忍野八海の池には、第一から第八までの霊場の番号がついています。まずは番号と場所、それぞれに伝わる話を確認しましょう。

霊場池の名前場所の特徴言い伝え・ご利益
第一出口池中心部から離れた場所。車での移動が前提富士山へ登る前に穢れを清めた池。道中の安全を願う
第二お釜池中心部の南側大きなガマガエルに娘が引き込まれたという話が残る
第三底抜池榛の木林資料館の敷地内(入場料300円)落とした物がお釜池から出てきたといわれ、地下でつながっていると考えられた
第四銚子池川沿いの草地にあり、見落としやすい花嫁が身を投げたという話が伝わり、縁結びの池とされる
第五湧池中心部。もっとも観光客が多い噴火のときに木花開耶姫命が水を与えて人々を救ったと伝わる
第六濁池池らしい形ではなく、分かりにくい行者に水を断ったところ池が濁ったという話が残る
第七鏡池中心部の北側物事の善悪を見分ける力があると信じられた
第八菖蒲池中心部から少し離れた静かな場所妻が祈り、菖蒲を夫の体に巻いたところ病が癒えたと伝わり、病気平癒の池とされる

番号の順に並んでいるわけではありません。歩く順番は番号ではなく、場所で決めるのが基本です。

縁結びなら銚子池、病気平癒なら菖蒲池というように、願いごとで立ち寄る池を選ぶのも忍野八海らしい歩き方です。それぞれの池に伝わる話は、次の章でくわしく紹介します。

伝説とともにめぐる8つの池|見どころと基本情報

一番霊場 出口池|中心部から約1km、8つの池でいちばん静か

忍野八海の中でも最大の面積(約1,467㎡)を誇る「出口池」は、他の7つの池から少し離れた場所に位置する、静寂に包まれた霊場です。

かつてこの池の湧き水は、清浄な“霊水”として信仰されており、富士登山前の禊(みそぎ)や願掛けの場として多くの人が訪れていました。登山者はこの水で身を清め、持ち帰ることで無事を祈ったと伝えられています。

また、池のすぐそばには、池を見下ろすように鎮座する「出口稲荷大社」があります。

この地では昔、農耕や輸送のために多くの馬が飼われていたとされており、村人たちは馬の健康と安全を願って、馬に縁ある稲荷神を祀るためにこの神社を建立しました。

静かな自然の中で、神聖な雰囲気と伝統的な信仰を感じられる「出口池」は、静かな時間を過ごしたい方にこそ、足を運んでほしいスポットです。

出口池の周辺

出口池は、ほかの7つの池が集まる中心部から約1km離れた場所にあります。歩いて往復するには距離があるので、車で移動するのが現実的です。

周辺には土産物店や飲食店がほとんどありません。散策や食べ歩きを楽しむ場所ではなく、池そのものを見に行く場所だと考えておきましょう。

中心部の駐車場に停めたまま歩くと、往復に時間がかかります。
8つすべてを回る予定なら、出口池への移動を見込んで停める場所を選びましょう。

まわりを木々に囲まれ、水面が静かに広がっています。8つの池を北斗七星に、出口池を北極星に見立てる考え方も残っています。

訪れたときは、観光客の姿がほとんどありませんでした。中心部のにぎわいを知っているほど、この静けさが印象に残ります。

目的出口池へ行くかどうか
8つの池をすべて回りたい行く価値あり。第一霊場を外すと「八海めぐり」が完成しない
静かな場所で過ごしたい行く価値あり。中心部とは雰囲気がまったく違う
写真映えする景色を見たい中心部の湧池や中池を優先したほうが満足度が高い
滞在時間が2時間以内無理に向かわず、中心部を丁寧に回るほうがおすすめ

忍野八海の景色を楽しむだけなら、中心部だけでも十分です。ただ、信仰の場としての忍野八海を感じたいなら、出口池まで足を運ぶ意味があります。

名称出口池(でぐちいけ・第一霊場)
所在地山梨県南都留郡忍野村忍草(忍野八海の中心部から約1km)
水深・湧水量水深0.5m/湧水量 毎秒0.265立方メートル(忍野村公式)
見学自然景観のため営業時間はなく、24時間見学できます
料金無料
問い合わせ忍野村観光協会 0555-84-4222/忍野村役場 観光産業課 0555-84-7794
駐車場村営の駐車場はなく、周辺に民営が約10か所。普通車300円ほど
アクセス中央自動車道「河口湖IC」から約20分、東富士五湖道路「山中湖IC」から約10分/富士急行線「富士吉田駅」からバス約15分「忍野八海」下車、徒歩約5分
MATSUMURA
JAPANOPIA編集部ライター
ライター歴7年。兵庫生まれで学生時代はアメリカやインド、タイ、台湾などを訪れ、日本と文化の違いを楽しむ。
京都の茶筒「開化堂」や切り絵作家 早川鉄兵氏が作品を通して伝統技術を今に伝える活動に感銘を受けてからは、日本の伝統技術に興味。
今では、主に日本の穴場スポットや地元の人に愛される名店などをもっと知ってほしい!そんな想いで取材や調査を行い、リアルで詳しい情報を提供しています。
歴史や伝統文化、日本ならではのしきたりも、背景を知ればもっと面白い!
「そこに行ってみたい!」「体験してみたい!」と思ってもらえるように日々記事を執筆中です。
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